元々ICU看護師として働いていた私ですが、健康×予防×QOL向上に携わるお仕事がしたい!と思い退職しました。
医療的ケアが必要な状態でも在宅や地域で生活している人と関わってみたいと思った私は、保健師のお仕事をメインにやりながら「重症心身障害児の放課後デイサービス」で看護師として週1日~2日ほど働いていました。
この記事では、実際に重症心身障害児の放課後デイサービスで働いてみた体験をもとに
- どんなところなの?
- どんな利用者さんがいるの?
- 仕事内容は?
- こんな人におすすめ!
についてお伝えしていきます♪
病院で働いているときは「重症心身障害児の放課後デイサービス」があること事態知りませんでした。この記事を読むことで、「重症心身障害児の放課後デイサービス」に興味をもっていただけたら幸いです(^^♪
重症心身障害児の放課後デイサービスってどんなところなの?
重症心身障害児の放課後デイサービスとは、小学校・中学校・高校などの学校に通っている障害児が学校が終わった後や学校がお休みの日に利用できる場所です。
厚生労働省の放課後デイサービスガイドラインでは以下のように書かれています。
放課後等デイサービスは、児童福祉法第6条の2の2第4項の規定に基づき、
学校(幼稚園及び大学を除く。以下同じ。)に就学している障害児に、授業の終
了後又は休業日に、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進
その他の便宜を供与することとされている。放課後等デイサービスは、支援を必要とする障害のある子どもに対して、学
校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて、個々の子どもの状況に
応じた発達支援を行うことにより、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を
図るものである。
私が関わっていた重症心身障害児の放課後デイサービスは、自力で歩いて移動できたり簡単な意思疎通ができたりと、重症心身障害児???と思うような軽度な利用者さんもいました。
放課後デイサービスの目的
実際に働いて分かった重症心身障害児の放課後デイサービスの主な目的は以下の3つ
- 子どもたちが安全に生活できるように支援すること
- 子どもたちの成長発達をサポートすること
- 保護者の時間が確保できるようにケアを一時的に代行すること
子どもたちが安全に生活できるように支援すること
後程どんな利用者さんがいるのか詳しく書きますが、基本的に放課後デイサービスを利用する子どもたちは自力で生き延びるための力をもっていません。周りの人々から何かしらの支援が必要です。
子どもたちが安全に、楽しくその瞬間を過ごしてもらえるように支援していきます。
子どもたちの成長発達をサポートすること
子どもたちは一人ひとり個性があり、同じ状態であることはありません。子供たちの成長発達に合わせた関わりをしていく必要があります。
その子にあわせたリハビリをしたり、音楽遊びをしたり、他のお友達との関わりから刺激をもらったりと、学校や家とは違う環境での体験を通じて成長発達をサポートします。
保護者の時間が確保できるようにケアを一時的に代行すること
学校が終わるのは14時や15時など、比較的早い時間です。
仕事をしている保護者や、家事育児で時間が欲しい保護者に代わって、夕方までお預かりしてケアを代行します。
自分ひとりで何もかもやろうとすると疲れてしまうものです。放課後デイサービスを利用してもらうことで保護者の負担の軽減につながります。
どんな利用者さんがいるの?重症心身障害児って??
日本では明確な定義はありませんが、一般的には大島の分類の1~4を「重症心身障害児」と呼びます。
WHOでは知的指数が20~34(精神年齢3~6歳)を「重度」、知的指数20未満(精神年齢3歳未満)を「最重度」としています。
- 身体能力は座れるか、寝たきり
- 知的指数は簡単な言語が理解できるか、言語理解できない
そんな子どもたちが重症心身障害児の放課後デイサービスを利用しています。
重症心身障害児の特徴
重症心身障害児の特徴は以下の通りです。
- 自力で起き上がれない
- ほとんど寝たきり
- 排泄は全介助
- 食事は自力で食べられない(スプーンで食事介助か、胃ろうや胃管から注入)
- 誤嚥をしやすい
- 手足が変形・拘縮している
- 側弯や胸郭の変形がある
- 筋緊張がある。(手足が固くなって思うように動かない)
- 言語理解が困難
- てんかん発作がある(一部)
一人ひとり特徴は異なりますが、だいたいこんな感じです。
身体が拘縮していてカチカチだったり、逆に身体がぐねぐねだったり、
口から食べられる方もいれば、嚥下する機能が乏しくて胃ろうからの栄養摂取が必要な方もいます。
言葉で伝えて理解できる方もいれば、理解できない方もいます。
多くの子どもたちは表情や声で感情を表現してくれます。
表情や動作、声から「楽しい」「嫌」そんな感情を読み取ることができます。
重症心身障害児の放課後デイサービスでの仕事内容とは?
私が実際にやっていた仕事内容は以下の通りです。
- 日常生活の介助(おむつ交換や入浴介助)
- 栄養剤や薬の注入(胃瘻や胃管)
- 吸入
- 吸引
- モニター管理
- 医療的ケア全般
- 記録
働くスタッフは保育士、介護士、児童発達支援管理責任者などなど。
看護師でないとできないこと以外(おむつ交換や口から食事が食べられる方の食事介助など)は他のスタッフがやってくれました。
看護師は子どもたち全員の状態を常に注意深くみています。
医療的ケアは看護師にしかできないためとても大事な役割です。
重症心身障害児の放課後デイサービスはこんな人におすすめ!
看護師としての経験がある方
働いている看護師の人数はたいてい1人か2人です。
1人になったときは子どもたちを自分ひとりで見ていく必要があります。
胃ろうの管理や吸引ができる看護技術があること、全身状態を見てアセスメントできる能力があるとベストです。
看護師として病院や施設等で働いたことがある方など、基本的な看護師としての知識と経験があると望ましいです。
短い時間だけ働きたい方
私が携わっていた重症心身障害児の放課後デイサービスは平日なら学校が終わった午後(14時~17時まで)の数時間、休日は1日(10時~17時)の利用時間でした。
つまり、スタッフが働く時間も同様に、平日は14時~17時の3時間程度。
1日利用の子どもがいたら10時~17時の7時間程度。
の勤務時間になります。
忙しい時間は15時半から16時半前後です。
短い時間だけ働きたい方に向いています。
本業+α(副業)として働いてみたい方
短い時間の勤務で良いので、本業+αのお仕事(副業)に向いていると思います。
群馬県は単発バイトが本当に少ないので、本業とは別の経験がしたい方、私のように自由な働き方をしたい方には貴重な勤務先かと思います。
いろんなことに挑戦したい方
私が働いていた「重症心身障害児のデイサービス」は私のようなトライアルな働き方に対する理解があり、活動を応援してくれます!
管理者や社長、スタッフの人柄の良さにひかれました(^^♪
ご興味ある方はご連絡ください!
https://twitter.com/kanapolku/status/1290491157416275969?s=20