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辞めたからこそ分かったICU看護師の魅力

私は新卒でICUに配属となり、約3年間勤務してきました。

現在は退職していますが、ICU看護師をやめてから

ICUってすごくよかったなぁ…

と思うことが良くあります。

そんな、辞めたからこそ気づいたICUの魅力をお伝えします。

知識を得る機会がいくらでもあった

現在私は専業主婦です。ICUであわただしく生きてきた日々が遠い昔のようです。

現場から離れた今、新型コロナウイルスの件もあり引きこもりの生活を送っています。

自分で必要だと思ったことを勉強する時間を作るようにしていますが、圧倒的に効率が悪いように感じています。

ICUにいたときは、常に分からないことだらけでした。

ICUでは、分からない・知識がないというのは良いことではありません。

 

初めてみる疾患。初めて使う薬。患者さんに対する看護はどうしたらいいのだろう?

多くを求められる環境に、日々頭を悩ませていました。

この日々は大変でしたが、今思うと

分からないことがあって、それを解決するために、日々努力することができるという時間は貴重だったなと感じます。

ほぼ強制的にインプット、アウトプットができて成長できる

分からないことに気づく

調べる(インプット)

臨床で活かす(アウトプット)

ICUという環境にいるだけで、自然と力がつく。

力をつけなければならない環境でした。

嫌だと思う人もいるかもしれませんが、看護師として成長できる良い機会です。

 

今でもICUの経験や知識はすべてのベースになっていると感じています。

その経験は無駄にはなりません。

ICUは勉強できる絶好の環境であると感じます。

 

最前線・最先端の医療に携われた

私がいたICUは特に重症な患者さんが入院しており、設備は最先端なものがそろえてありました。(設備が最先端でも扱う医師や看護師のレベルが低いと役にたちませんが)

ICUでは提供される医療の質は高く、そこにいる医師の知識も豊富でした。

間近でそれらをみることができたのはとても良い経験だったなと感じます。

社会的信用が高い

ICUで働いていると、社会的信用が高いような気がします。

「ICUで働いていたなら大丈夫でしょ!」ということで臨床経験2年10か月でしたが、看護大学の教員(助手)としてお誘いいただけたこともあります。

最前線での治療・看護に携わるということはストレスが多く、責任のある環境であることをまわりの医療スタッフは理解しているようです。

そんな環境で働くことができたという実績は強みや自信につながります。

ICU看護師はかっこいい!

やめたからこそ、ICUで働いている人はとてもかっこよくみえます!

最前線で戦うヒーローだなぁと感じます。

他にはない連帯感

たくさんの人が1人のために力を尽くす場

ICUは、1人の命を救うためにみんなで全力を尽くす場でした。

医師は治療を。

看護師は患者さんの状態の観察や管理…(略)

臨床工学技師は医療機器の点検や管理を。(輸液ポンプやシリンジポンプ、人工呼吸器、CHDF、ECMOなどなど、MEさんがいるからこそ使うことができます!!ありがとうございます!!!)

薬剤師や栄養士、作業療法士、理学療法士…(その他)

多くの人が1人のために全力を尽くします。

医療者1人ひとりが自分の役割を認識し、目標達成のために役割を全うする。

それぞれが使命感をもって働く様子は見ていてとても気持ちがよかったです。

ICUだからこそできる看護がある

私がいたICUでは、原則1人の看護師が2人の患者さんを受け持ちます。

超重症患者(心外術後やECMO管理中など)の場合は1人受け持ちのこともあります。

1人の患者さんの命を守る。治療の効果が最大限に発揮できるように携わる。

ICU看護師は時に1対1で患者さんのために必要なケアや処置をします。

忙しいときは治療や処置に追われて看護なんてできないときもありましたが、今思い返すと、1人の患者さんのために全力を尽くせるICU看護が私は好きでした。

ICU看護師に求められるのは「声にならない声を聴く力」

意識がない方、人工呼吸器管理中で声がだせない方、自分で自分の状態を言えない方が多く、そんな人達に対してICU看護師は「患者さんの声にならない声」を察知して看護を行います。

モニターのアラームは患者さんの訴えだから無視してはいけない」と新人のときに先輩に教えていただいたことは今でも覚えています。

「あれをやってほしい、これをやってほしい」という言葉がない分、受け持ち看護師は患者さんが何を必要としているのだろう?と考えることが大事になります。

モニターの数字だけでなく、患者さんの表情から。皮膚の色から。呼吸の速さや様式、胸郭の動き、意識レベルの変化などなど。全身状態を観察し、さっきと様子が違うな、と異変に気付くことも重要です。

知識があれば気づくことも増える。

自分で意識すればするほど見える世界が広がる。

ICU看護師ができることは無限大です!

【まとめ】辞めたからこそ分かったICUの魅力

✔知識を得ることができる絶好の機会になる

✔最前線・最先端の医療に携われ、その責任から社会的信用が高い

✔ひとりひとりが使命感をもって働いていて気持ちが良い環境

✔ICUだからこそできる看護がある

辞めたからこそ見えてきたのは、「ICUっていいじゃん」「ICUが好きだったなぁ」という思いでした。

しんどいこともたくさんありますが、たくさんの学びの機会になり、その場でしかできない看護ができます。その場から離れてみて、良い環境だと気づきました。

辞めたからこそ分かったICU看護師の魅力でした。