元ICU看護師、現在は保健師+αとして働いているかなこです!
保健師になりたいけど、新卒でなっても大丈夫なのかな?看護師経験があったほうがいいのかな?
そんな声をよく見かけます。
私も学生時代に同じようなことを考えていました。
この記事では
- 保健師になりたい学生さん
に向けて、
- 新卒で保健師を目指すことのメリット・デメリット
- 看護師経験を経て保健師を目指すことのメリットデメリット→別記事
- 「新卒で保健師を目指す」「看護師経験を積んでから保健師を目指す」どちらがいいの?
についてお伝えしていきます!
【結論】どちらでも良い!
「新卒で保健師になる」「看護師経験を経てから保健師になる」どちらがいいのでしょうか?
結論としては「どちらでも良い」です!!
私は学生時代から予防に携わりたいとか、夜勤やりたくないし看護師はしんどくてきつそうだからという理由で保健師になりたいと考えていました。(保健師になりたい理由が正直すぎる。)
しかし、学生時代は準備不足で行政保健師の試験は落ちてしまいます。(→合格できなかった原因とは??別記事へ)
その後大きな病院に就職してICU看護師として約3年間勤務した後に、保健師へキャリアチェンジします。
保健師になりたくて学生時代に公務員試験を受けましたが不合格。
看護師2年目から2年にわたり産業保健師になるために準備と勉強をしますが、企業に就職することはできず挫折してしまいます。(挫折の理由とは?→別記事へ)
そんな経験から、学生には学生のメリットデメリット、看護師経験を積んでからもメリットデメリットがあると感じています。
保健師になるためには新卒も看護師経験も関係なく、なりたいと思ったときから適切な準備を始め、努力することが大切です。「絶対に保健師になる!」という思いがあり、そのための準備と努力ができるなら、いつ目指しても良いのではないでしょうか?
それでは「新卒で保健師を目指すことのメリットデメリット」について、詳しく見ていきましょう。
新卒で保健師を目指すメリット
- 現役看護師に比べて自由に使える時間が多い
- 勉強する時間を確保できる
- 教員が試験対策に協力してくれる
- 早く保健師経験を積むことができる
①現役看護師に比べて自由に使える時間が多い
看護学生のうちに保健師を目指す大きなメリットは、なんといっても時間があることです。
看護師1年目・2年目では看護の知識や経験を身に着けるための勉強が必要となります。
看護師になった以上、看護師の勉強をしないわけにはいきません。
私の場合、保健師になりたいという思いはあっても、1年目・2年目は「看護師のスキルを身に着ける」ことで精一杯になっていました。
その点、学生は土日が基本お休みで、夏休みや冬休みといった長期休暇もあります。実習が始まると時間がとれなくなるかもしれませんが、現役看護師に比べたら自由時間は多くあります。
私は看護師実習や保健師実習中はとても保健師の勉強なんてできず、直前になってから対策を始めればいいやと思っていました。
看護師1年目、2年目では日々の業務の疲れや看護師の勉強などで保健師になるための準備なんてできなくなります。
勉強ができない理由は正直いくらでもでてきます。
本気で保健師になりたいなら「もっと早く行動すべきだ」「なりたいと思ったときから準備すべきだ」と過去の自分に伝えてあげたいです。
現役看護師よりも自由に使える時間が多いのは最大のメリットです!
②保健師対策のための時間を確保できる
3年生・4年生では実習や就活が始まりたくさんの時間を設けることはできないかもしれませんが、最初から保健師になることを志していれば1年生のうちから対策ができます。
私は「保健師になりたい」という思いはありましたが、本気で勉強を始めるのが遅く、対策ができないまま行政保健師の試験に挑むことになり、失敗します。
1年目から勉強をコツコツ始めていたら・・・2年目から勉強を始めていれば・・・
もっと早く保健師対策していれば・・・とあとにになってから感じます。
「保健師になりたい」と思ったら、早い段階から準備と対策を始めることが大切です。
行政保健師を目指すのであれば一般教養、専門(保健師としての知識)、作文(論文)、面接など、事前に勉強と対策が不可欠です。看護師をやりながらこの時間を確保するのは酷ですができないことはありません。とはいえ看護学生のほうが保健師対策の時間を多く確保できます。
③教員が試験対策に協力してくれる
看護学生の特権は身近に頼れる教員がいること!!
社会人になってしまうと、試験対策は個人ですべて行わなくてはなりません。
しかし、学生のうちは教員が近くにいるため、面接対策や論文の添削、様々な相談にのってもらうことができます。教員の伝手で募集しているところをいち早く発見することもできるかもしれません。
身近に相談できる環境があるのは精神的にも安心できます。
看護師になってからの転職活動は気軽に相談できる人はいないし孤独ですよ・・・
④早く保健師経験を積むことができる
新卒で保健師を目指し、保健師になれた場合、看護師から保健師を目指す人に比べて早く保健師経験を積むことができます。行政保健師の場合、先輩保健師もいるため新人指導も期待できます。
特に産業保健師になりたい場合、保健師としての経験があることは強みになります。企業が求めているのは即戦力なことが多く、看護師の視点を持って仕事ができることも重要ですが少しでも保健師業務ができる人のほうが魅力的という考え方もあります。
病院看護師から産業保健師になる場合、最低でも丸3年以上の臨床経験がないと書類選考の時点で「足切りする」と人事採用に詳しい方が話していました。
産業保健師はとにかく狭き門です。「病院での看護師経験丸3年以上」もしくは「保健師経験がある」が産業保健師になるための最低限のベースではないかと感じています。
新卒で保健師を目指すデメリット
- 看護師としての臨床経験が積めない
- 他の看護学生と違うことをするので負担が大きい
- 産業保健師になる場合は難易度が高い
①看護師としての臨床経験が積めない
新卒で保健師を目指すデメリットは、当然ですが看護師としての臨床経験が積めないことです。
看護師経験があれば、臨床で得た知識、経験、コミュニケーション力を活かして対象に説得力のある説明が可能になるかもしれません。看護師の経験は保健指導をするときに役立ちます。
臨床で培ったメンタル・フィジカル力は自信になります。
また、産業保健師を目指す場合、「病棟での経験3年以上」という条件の企業もあります。
しかし、保健師のお仕事は看護師とは全く違います。臨床経験がなくても、その分保健師として得た力でカバーすることができるのではないでしょうか?
②他の看護学生と違うことをしなくてはならず負担が大きい
保健師を目指すということは、人一倍努力をする必要があります。
他の看護学生は保健師の勉強なんてしていません。そんな中、「絶対に保健師になるんだ!」と強い思いを持ち続け、努力しなければなりません。
他の看護学生に迷惑をかけることもあるかもしれません。
バイトも、遊びも、我慢しなければならないこともあるかもしれません。
他の看護学生と違うことをしなくてはならないので負担が大きくなります。
人と違うことをするのはきついです。
看護師を目指すのは簡単です。みんなと同じことをしていれば良いので楽です。
「いつか保健師にはなりたいけど、今の生活を手放したくないから保健師は目指さない」を選択する人が多いのではないでしょうか?
何かを得るためにはある程度何かを捨てなければなりません。遊ぶ時間、バイトをする時間、学生としての自由な時間、住んでいる場所、一緒にいる人。今まで当然にあったものを捨てる覚悟が必要です。
③産業保健師になる場合は難易度が高い
保健師として働く場合、行政保健師や、産業保健師が有名かと思います。
行政保健師は一般教養の勉強や面接対策、論文がしっかりと書けていれば既卒新卒関係なく合格のチャンスがありますが、産業保健師の場合、未経験可・新卒可の求人は多くありません。
求人内容をみると「臨床経験3年以上」「保健師経験がある」という条件が書いてあることが多くあります。
都内であれば新卒でもなれるところはあるかもしれませんが、地方では不可能ではないかと感じます。
地方の産業保健師はたいてい1人職場です。即戦力にならない人は採用されにくいでしょう。運よくなれても、周りに相談できる人がおらず苦労するのではないでしょうか?私が住んでいるところでは新卒向けの募集はひとつもありませんでした。
新卒で産業保健師になりたい場合、産業保健業界にコネを作ったり、企業に自分から見学の申し入れをしたりと、積極的な活動が必要です。
新卒で保健師を目指すメリットとデメリットのまとめ
新卒で保健師を目指すのはどうなのか?と悩みますよね。
私は保健師になりたい思いはあるけど臨床経験積むのも興味あるし看護師でいいか!と看護師になります。
看護師のお仕事を始めるのは簡単ですが、保健師のお仕事を始めるのは大変です。
保健師になった後に看護師になるのは難しいことではありません。たいていのところでは新人看護師同様の教育をきちんとしてくれるでしょう。
看護師として働きながら保健師を目指すのは正直きついです。
保健師になりたいのであれば、その時にできる行動はしておくべきだと思います。
新卒で保健師を目指すメリットとデメリットは以下の通りです。
- 現役看護師に比べて自由に使える時間が多い
- 保健師対策のための時間を確保できる
- 教員が試験対策に協力してくれる
- 早く保健師経験を積むことができる
- 看護師としての臨床経験が積めない
- 他の看護学生と違うことをするので負担が大きい
- 産業保健師になる場合は難易度が高い
看護学生のほうが現役看護師に比べて自由に使える時間が多く、勉強する時間を確保することができます。身近に教員がいるため、いざという時に頼ることができます。
保健師の経験を早く積むことができることも魅力です。特に産業保健師になりたい場合、保健師としての実務経験があると有利になると感じます。(看護師の経験があるからこそ有利になり、転職の幅が広がるという考えもあります。)
保健師経験を積んでも看護師経験を積んでも産業保健師の難易度は高いです。
(あくまで私の経験からの意見です!!どんな経験があれば良いのかは、場所によります!!看護師経験を重視しているところもあれば、保健師としての即戦力を重視しているところなど、さまざまです。)
最大のデメリットは看護師としての臨床経験が積めないこと。一般的な看護学生と違うことをするので負担が大きいことです。
個人的な思いとしては、「保健師になりたいのであれば新卒から目指して良い!!やりたいときに目指すべきだ!!」です。
そもそもなぜ保健師として働きたいのか?
保健師が働く場所はさまざまです。
「保健師になりたい」と考えたとき、
どこで働きたいでしょうか?そこでどんなことに貢献したいでしょうか?
- 保健所(都道府県)
- 保健センター(市町村)
- 地域包括支援センター
- 健診センター
- 病院
- 企業
- 学校
- その他
ちなみに私は「その他」で働いています。
なぜ保健師になりたいのでしょうか?その理由はなんでしょう?
今、自分は何をしたいのか。
自分のやりたいことを考えることが大切です。
ビジネスマンの父がやりたいことが分からないという大学2年生の娘に向けて書いた「苦しかったときの話をしようか」は就職について考える看護学生さんにぜひ読んでもらいたい本です。
「看護師をやりたくないから保健師をやりたい」という理由で保健師を目指したい人もいるかと思います。
気持ちはとても分かりますが
「なぜ保健師なのか???」
働き方はしっかりと自分に向き合って決めましょう!